鬼畜キャラと愛らしさについて。独り言
昔の語彙力の少ない僕は考えていた、「僕、ツンデレ嫌いだわ」。それは今でも間違いとはいえない。だけどそれは明らかにざっくばらんな感じだと思っている。
乱暴なやつ悪いやつ酷いやつが、ちょっと可愛げを見せたくらいで今までの暴挙を殆ど全て洗い流してしまうのが、気に食わないのだ。というか、そういうやつが突然降って湧いたように可愛こぶってあーいい一面だなあははみたいな処理を受け手に頼んでくること自体が苦手なんだ。アニメのロケット団みたいな最初からコメディチックなのはともかく、今までやりたい放題やって、主人公達が割りとガチで落ち込んでたのに、ちょっとなんかあっただけで改心しました許してぴょん!→ぴょんは可愛い。うん、許さざるをえないよね!、みたいな感じなのがなんか嫌なんだ。
それと僕は、完璧っぽいキャラに変にぶりっこな弱点をつけるのが好きじゃない。多分子供の頃にそういうのがありすぎて飽きたんだろう。
完璧なキャラは近寄りがたい。弱点があったほうが人間味が深まる。そんな感じの話を聞いたことがあるけど、僕としては近寄りやすいかどうかをあまり考えていない。むしろ僕が欲しいのは、人間離れしていることへの安心感なのかもしれない。例えば僕はデュエマのイエスマンが好きだけど、あれが単行本4コマとかでゴキブリにびびっているのをオチにされていたら、普通に引いていたと思う。機械のように冷酷な存在だから僕は惹かれたんだ。
そんな感じで、僕は強いキャラに味付け目的で弱点や可愛げを足すことも嫌っているんだ。
というのを根っこに置きながら、僕は今日も強くてやなやつがメインを張る小説を書く。
侍乃公他 美都子( http://www.akatsuki-novels.com/stories/index/novel_id~17672)や老伍路 夢値(http://www.akatsuki-novels.com/stories/index/novel_id~16383)は、正直言ってめんどくさいやつらだ。夏雄や樢は彼らに振り回され、疲労が溜まる一方だろう。主人公である夏雄や美都子の疲労が伝わってくるタイプの読者は、ダメージが蓄積していくかもしれない。
だが僕は、それを美都子や夢値の「意外な一面」で精算しようとは思わなかった。例えば美都子が夏雄に恋するいじらしいシーンがあったら、夢値が我が身を捨てて樢を守る勇ましいシーンがあったなら、彼らの評価も変わるかもしれない。だけど、僕はそうしなかった。
だってそんなキャラじゃ好きになれないもん
美都子と夢値に僕が求めたのは、溢れんばかりのリソースとシュールなくらいの変人性だけだった。人間らしさなんて、僕の小説には必要無いのだ。というよりそういう人間臭い感じを書きたくないから、シリアスはあんま書かない。
だけどこの方式は弱点があって、あまりに夏雄と樢に救いが無さすぎて、ストレス溜めすぎて2人が心労で倒れかねない(ただ僕としては、ちょっとかっこいいとこ可愛いとこ見せただけで主人公の心労ゲージが激減する方がよっぽどシュールだと思ってるんだけどね)。
だから僕は代替手段を設けている。許してはいないけど、色々考えると一緒にいた方が良いというシチュエーションにおくわけ。一番やりやすいのが、性格はアレだけど実利があるからもし総合するならそうマイナスにならない、ってパターン。夏雄は突然迷い込んだ異世界で美都子のよく分からない話に付き合わされるけど、美都子はその異世界のことを知っているから、ガイドがしてもらえる。そもそも美都子は(僕の小説の狂人枠の中では)比較的ヌルい方だから、これぐらいのメリットでも十分だと思っている。
だけど樢はそれだけではきつい。勝手に体内にサンサーヴを埋め込まれたせいでいきなり決闘者に襲われる日々が続くわ夢値は神出鬼没で気まぐれだわで結構悲惨。その上、夢値が代わりに幸せを運んでくるなんてことは無くデメリットしか運んでこない。僕としてはどうにかこれをシュールギャグ決闘漫画に持ち込もうとしたかった(アニマル横町とデュエルジャックを足して2で割った感じにしたかった)から、軌道修正が必要になるわけだ。
これがラブロマンスなら夢値がかっこよければワンチャンなんとかなるかもしれないけど、僕が書きたいのはギャグだ。みんなが笑えるギャグだ。
と、意気込んで考えはしたものの、その、
犬1匹送り込んだ以外特に何もなかったね
ダードが犬なのは、樢に癒やされてもらう為だ。ただ正直焼け石に水な感じが否めない。
樢が哀れすぎて正直僕としてもどうしたもんか。夢値が樢を思いやる気持ちは欠片ほどしか無い。ダードは並に人を気遣うが面識がほぼ無い。樢の胃が心配である。考えなさすぎるとこうなるのだ。気をつけよう。
もう何が言いたいのか分かんなくなってきたけど、ここにこっそり、ひび1つ無い人間らしくないキャラを好む人がいますよってこと。その話と「美都子論」をダラダラと書きたかった。終わり。